平成19年度写真学科卒業制作



ここでは平成19年度写真学科卒業制作を紹介いたします。

【芸術学部長賞(学業部門):卒業論文・制作が優秀なものに授与される。】
   
《任 在弘「終わらない戦争の悲劇」》
任 在弘
朝鮮戦争時に埋没された地雷でその後被害を受けた人々の悲惨な状況をバストアップと被害部位のクローズアップの2枚の写真で構成した作品。構成力、技術力、表現力が優れており、現代社会が抱える問題を的確に浮き上がらせた秀作である。
   
《小川優樹「World’s end」》
小川優樹
世界の終りというテーマで制作され、そのコンセプトは旧約聖書から導き、人間世界の崩壊と復活の予感をイメージし、象徴化した作品である。イタリアの古都や近代の都パリを取材し、一つの世界の終焉と復活を予感させる秀作である。
   
《澤崎暁生「gene」》
澤崎暁生
遺伝子がすべての生物の根幹をなす、写真の粒子も同様にイメージの根幹であると考え、その粒子を強調して制作された作品である。的確な画面構成で自然の風景や人間の好意によって作られた景観の根源的な意味を表わそうと試みた秀作である。
   
《`島恭平「夜の卵」》
`島恭平
ギリシア神話の、夜の闇から「夜の卵」は生み出され、その卵から孵って生まれたものが愛であるという話をテーマにした作品。肉体の誇張やカスレの合成により、純粋な愛を追い求める作者の挑戦が刻み込まれた秀作である。
   
《山崎彩央「水」》
山崎彩央
水をイメージする氷やスライム、ジェルなど様々なものを使って水に対する作者のイメージを視覚化した作品である。小さな空間で撮影されているが、地球の環境を構成し、すべての生命にとって不可欠な水の巨視的なイメージも伝わってくる秀作である。

 

【芸術学部奨励賞 : 卒業論文・制作において、優秀かつ独創的なものに授与される。】
   
《芸術学部奨励賞・荒井春美「SHARIA」》
荒井春美
SHARIAとはイスラムの言葉で、位置、個人の行くべき運命を指している。イスラムの世界に魅せられた作者が敬愛の念を持って制作した秀作である。その表現にフォトグラビアというプリント技法を用いた独創性も評価したい。
   

 

【日本大学芸術学部金丸賞:
写真学科の学生で、卒業論文・制作が優秀であると認められる作品の制作者に与えられる。】

《瀬崎千尋 「創生児」》
双生児として生まれたが、その相方を失った作者が私でない私を通して自分を見つめ直そうとするために一人二役を演じ、それを合成して制作した作品である。撮影場所、人物配置、撮影など入念な計算によってイメージの視覚化に成功した秀作である。
   
《中西由華「fome verte」》
中西由華
女性のヌードを被写体とし、一個の人体とそれを照らし出す光だけという限られた条件の中で、ポーズやライティングを工夫しながら人間の体が見せる多様な形の美しさを表現している。深みのある緑色の色調も作者の意図にあった優れた作品である。
   
《藤波忍「DOORS」》
藤波 忍
さまざまな年齢あるいは職業の人たちの部屋を借り、そこの住人のように振舞っている姿を撮影したセルフポートレイトの作品。アイデンティティー、学習、情報という問題をこの作品によって問いかけたコンセプトのしっかりとした優れた作品である。

 

 

 

 

 

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