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2019年度卒業制作優秀作品

 

河西宏樹「Life」 2019年度芸術学部長賞

[作者]

河西宏樹

[作品]

「Life」

[作者コメント]

千種を優に超える動植物たちと共に暮らし、何千年も眠っていたかと思えば一度の爆発で消えてしまう。八ヶ岳連峰は120万年という長い年月の中で、噴火や山体崩壊を繰り返して姿を大きく変えてきた。そこには私たちの考える物や時間のものさしでは到底及ばないスケールがある。これは、山に流れている時間や力の強さ、そこに集う生き物たちを、ほんの少しだけ切りとり集めた「山の日常」のアルバムである。

[受賞]

2019年度芸術学部長賞

 

 

宇田渉平「EXTREME」 2019年度芸術学部長賞

[作者]

宇田渉平

[作品]

「EXTREME」

[作者コメント]

エクストリームスポーツの特色は明確なルールがあるわけではなく、普通のスポーツに比べて自由度がより高いことだ。危険を伴うことも多く、アスリートは常に自らが感じる恐怖心と戦い続け、自分自身の限界に挑戦し続けている。街や自然など、至る所が彼らのプレイグラウンドとなる。エクストリームスポーツと写真がお互いに持つクリエイティブで自由な面を融合させて、もっと多くの人に知ってもらいたいと考え作品を撮影した。

[受賞]

2019年度芸術学部長賞

 

 

櫻井泰「Last Run」 2019年度芸術学部長賞

[作者]

櫻井泰

[作品]

「Last Run」

[作者コメント]

中国新疆ウイグル自治区・三道嶺、そこは世界で最後の現役蒸気機関車が活躍する炭鉱の街である。10両以上の機関車が煙をあげ石炭貨車を引いているが、2020年で全て廃止されることが決定している。私はこの土地に通い終焉へと向かう機関車と人々を撮影した。世界初の蒸気機関車が誕生してから216年、彼らはやがて火を落とし、静かに消えていく。

[受賞]

2019年度芸術学部長賞

 

 

新倉南「出会い」 2019年度芸術学部長賞

[作者]

新倉南

[作品]

「出会い」

[作者コメント]

四国八十八ヶ所、歩き遍路の旅。 一~八十八ヶ所の紡がれた途方もない道のりには、 多くの出逢いと思いやりに溢れていた。

[受賞]

2019年度芸術学部長賞

 

 

成田颯一「未来への分岐点」 2019年度芸術学部長賞

[作者]

成田颯一

[作品]

「未来への分岐点」

[作者コメント]

これらの作品は、2015 年国連において採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の重要な 3つの要素「社会」「経済」「環境」について、どうバランスをとって生きていくべきなのか問いかけた風景である。SDGsは、「誰一人取り残さない」という包摂的な世界の実現を目指し、さまざまな課題解決に向けた世界共通の目標を模索している。 これらの風景の中で、3 つの要素のバランスと地球全体への影響をイメージしてもらいたい。

[受賞]

2019年度芸術学部長賞

 

 

趙僖然「Śūnyatā」 2019年度芸術学部金丸重嶺賞

[作者]

趙僖然

[作品]

「Śūnyatā」

[作者コメント]

すべてのものは無常ものであり、定まった本質などない。 自我というものに固執しようとしても、昨日の自我と今の自我はその内容が同じである はずがなく、常に揺れ動き変化しているもの。 人間は自然と調和を通して、起点から終点に辿り着く。

[受賞]

2019年度芸術学部長賞

 

 

小川泰弘「去りゆく汽笛」 2019年度芸術学部金丸重嶺賞

[作者]

小川泰弘

[作品]

「去りゆく汽笛」

[作者コメント]

ある日突然列車が来なくなった駅がある。 北海道根室本線の幾寅駅。4年前の台風で被災し、今も一部が不通区間となっている。 駅を管理している婦人会のお母さんは言う。 「いつもそばにあるもの。絶対に無くしてはいけない。」 出発信号機が青に変わる日が来ることを切に願う。

[受賞]

2019年度芸術学部金丸重嶺賞

  

 

小野寺杏「Rhythmic Gymnastics」 2019年度芸術学部金丸重嶺賞

[作者]

小野寺杏

[作品]

「Rhythmic Gymnastics」

[作者コメント]

新体操はこの世界でいちばん美しいスポーツだと思う。 私は、自らの演技をセルフポートレートすることで新体操の身体美を伝えたい。 身体のラインとカラフルな手具が奏でる美しさを合成やCGを使用せず表現した。

[受賞]

2019年度芸術学部金丸重嶺賞

 

 

中野優太「Water topography」 2019年度芸術学部奨励賞

[作者]

中野優太

[作品]

「Water topography」

[作者コメント]

水の循環がその空間にもたらす事象を一枚に定着することで、(認識できない)その土地の地形を想起させる。この作品は身近に存在する認識できない別空間で起きている出来事や時間を、水を通して視覚化するためのものである。それとともに、そこに立ち現れる見えない力や要素を認識できる標本でもあり、またその土地と鑑賞者とのつながりを持つための装置でもある。

[受賞]

2019年度芸術学部奨励賞