· 

2012年度卒業制作優秀作品

 

小田佳奈「MY23.」2012年度芸術学部奨励賞受賞作品

[作者]

小田佳奈

[作品]

「MY23.」

[解説]

東京23区の、それぞれを代表する場所を撮影し、それをもとに制作したスノーグローブ(スノードーム)を持って、再び実際にその場所を場所を訪れて撮影した作品。 持っている自分も映し込む事によって「私」の存在も主張しようとしている。現代の写真のテクノロジーは勿論、記録性、娯楽性など様々な要素が含まれる優れた作品として評価された。

[受賞]

2012年度芸術学部奨励賞

 

 

吉崎千佐子 「角を曲がったら」2012年度金丸重嶺賞受賞作品

[作者]

吉崎千佐子

[作品]

「角を曲がったら」

[解説]

どこにでもあるような何気ない情景を6x6判科米良によりとらえた作品である。被写体と自分が呼応する瞬間、つまりその情景が自分にとって特別なものであると感じた時、自分は確かにここに存在すると確信して撮影している。 中判フィルムによって銀塩バライタ印画紙にプリントした優れた黒白作品として評価された。

[受賞]

2012年度金丸重嶺賞

 

 

小柴託夢「人間への警鐘」2012年度金丸重嶺賞受賞作品

[作者]

小柴託夢

[作品]

「人間への警鐘」

[解説]

自然と都市の融合をテーマとし、デジタル合成の技術を駆使して作り上げられた作品である。 この作品では東京という人間が作り上げた大都市が、無限に増殖する自然に覆い尽くされて行くかのようである。 我々人間の文明の、遠い未来の姿を象徴するような世界をリアルに映像化した優れた作品として評価された。

[受賞]

2012年度芸術学部長賞

 

 

加藤雄也「カタヨリの箱」2012年度金丸重嶺賞受賞作品

[作者]

加藤雄也

[作品]

「カタヨリの箱」

[解説]

彼方に都会のビル群が霞む砂漠に、様々な素材の箱と、そこから出る様々な動きを持つ手を、スタジオで構成し撮影した作品。 背景は都会という文明からの疎外、箱は人の外見、出された手は内面の象徴のようだ。 非現実だがリアルのイメージを鑑賞者に自由に開く事で、多様な問題を想起させる優れた作品として評価された。

[受賞]

2012年度金丸重嶺賞

 

 

山本泰輔「確かにそこに」2012年度芸術学部長賞受賞作品

[作者]

山本泰輔

[作品]

「確かにそこに」

[解説]

暗黒中でレーザー光を被写体となる人物に照射し、対象から反射してくる光跡を長時間露光でとらえた作品である。 暗黒のため撮影者にも被写体が見えず、偶然も作品制作の要素になっている。 現在の照明機材の特徴を利用し、光や記録、そして人間の視覚的認識について考察した独創的なアイデアの作品として評価された。

[受賞]

2012年度芸術学部長賞

 

 

野村和宏「星ふる大地」2012年度芸術学部長賞受賞作品

[作者]

野村和宏

[作品]

「星ふる大地」

[解説]

様々な場所で地上の風景と星空を組み合わせて撮影した作品である。 デジタル技術を駆使し、月明かりで地上の風景を写すとともに、レイヤー合成によって長時間露光のように星の軌跡を表現している。 高い技術力によるドラマチックな星景写真として作者独自の世界が作り上げられており、見応えのある作品として評価された。

[受賞]

2012年度芸術学部長賞

 

 

中村高樹「戦争遺跡と緑の光景」2012年度芸術学部長賞受賞作品

[作者]

中村高樹

[作品]

「戦争遺跡と緑の光景」

[解説]

現在はすっかり風化している全国の戦争遺跡を訪ね歩き撮影した作品である。 様々な記憶を漂わせる廃墟とそれを包み込む植物の美しい緑、そこにまとわりつく光をうまく画面構成している。 忘れられようとしている歴史と、それとは対照的な植物の生命感の組み合わせが独特な世界観を見せる作品として評価された。

[受賞]

2012年度芸術学部長賞

 

 

小西由紀「Revelation Of Life」2012年度芸術学部長賞受賞作品

[作者]

小西由紀

[作品]

「Revelation Of Life」

[解説]

東日本大震災の津波被災地である福島県南相馬市で撮影された作品である。 津波で海水に浸かった瓦礫や農地一面を覆い尽くしたフジツボの驚異的な繁殖力に心を奪われて制作している。 未曾有の災害被災地の環境を克明に記録するとともに、生命の強靭さや人間の在り方など多義的な意味を内包した優れた作品として評価された。

[受賞]

2012年度芸術学部長賞

 

 

桑田恵里 「共生/侵食」2012年度芸術学部長賞受賞作品

[作者]

桑田恵里

[作品]

「共生/侵食」

[解説]

人間と自然との関係性を問いかけた作品である。 互いに侵食と相和を繰り返し、せめぎ合うかの如き両者の関係を、人間の体とそれに絡み付くような植物をデジタル処理によって組み合わせ、象徴的に映像化している。 ユニークな発想と感性、映像かの技術も高く、質感や存在感も豊かで秀逸な作品として評価された。

[受賞]

2012年度芸術学部長賞