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2014年度卒業制作優秀作品

 

彦根藍矢「どちらでもないもの - Beides」2014年度芸術学部奨励賞受賞作品

[作者]

彦根藍矢

[作品]

「どちらでもないもの - Beides」

[解説]

都市に散在する空間としての空き地の多義的な意味や役割を問いかけたユニークな作品である。作者は空き地を「どちらでもないもの」と捉え、その多義性の写真による視覚的表現を試み、同時にそれを自らが抱えるアイデンティティの問題にも重ねている。我々が暮らす環境や社会に目を向けた優れた作品として評価された。

[受賞]

2014年度芸術学部奨励賞受賞

 

 

須﨑将佳「山田線 -汽車のない日々-」2014年度芸術学部金丸重嶺賞受賞作品

[作者]

須﨑将佳

[作品]

「山田線 -汽車のない日々-」

[解説]

東日本大震災以後、現在も復旧していない岩手県のJR山田線、宮古・釜石間の記録である。戻りつつある被災地住民の生活に対し、住民の貴重な足である鉄道は今も廃線状態である。作者はその状況を約2年間通って丹念に記録した。未開通の鉄道を通して被災地の現状を伝える優れたドキュメンタリー作品として評価された。

[受賞]

2014年度金丸重嶺賞受賞

 

 

杉山慧「のぞみ世代」2014年度芸術学部金丸重嶺賞受賞作品

[作者]

杉山慧

[作品]

「のぞみ世代」

[解説]

作者の誕生と同じ年に運行が開始された東海道新幹線「のぞみ」をテーマとした印象的な作品である。鉄道写真ではよく見られる車両等の機械美だけでなく、叙情的で季節感溢れる風景や光を採り入れて、美しく色彩豊かな作品に仕上げている。鉄道写真というジャンルにとどまらない、情感豊かな作品として評価された。

[受賞]

2014年度金丸重嶺賞受賞

 

 

青木忠英「百年写真館」2014年度芸術学部金丸重嶺賞受賞作品

[作者]

青木忠英

[作品]

「百年写真館」

[解説]

写真館の三代目である作者が、祖父の代からの写真館を継承する意義は何か、その答えを見つけるための企画である。北海道から九州まで、日本各地で100年以上営業を続ける写真館を訪ね、館主から話を聞き、撮影している。作者の行動力と誠実さによって実現した、歴史ある写真館の優れたドキュメントとして評価された。

[受賞]

2014年度金丸重嶺賞受賞

 

 

竹永 理「⌘shiftE」2014年度芸術学部長賞受賞作品

[作者]

竹永 理

[作品]

「⌘shiftE」

[解説]

 群衆をテーマに、フォトショップのレイヤー合成で表現したユニークな作品である。一瞬の撮影ではボリューム感を欠く表現となる群衆を、一定時間に撮影した多数のカットを合成して視覚的なイメージに近づけようとしている。現代社会の群衆を、新しい時空間の表現を通して考察しようとした優れた作品として評価された。

[受賞]

2014年度芸術部長賞受賞

 

 

重松 駿「日本写紀」2014年度芸術学部長賞受賞作品

[作者]

重松 駿

[作品]

「日本写紀」

[解説]

北海道から九州まで、日本各地で作者を感動させた美しい自然を撮影した風景作品である。四季折々に表情を変える我が国の多種多様な自然環境。その圧倒的なスケールと対峙し、自然に対する畏敬の念をもって撮影している。美しい自然と向き合い、そのイメージを自分の世界として切り取った優れた作品として評価された。

[受賞]

2014年度芸術部長賞受賞

 

 

長野柊太郎「500℃ -Metal Plating Factory-」2014年度芸術学部長賞受賞作品

[作者]

長野柊太郎

[作品]

「500℃ -Metal Plating Factory-」

[解説]

溶融亜鉛メッキ工場に取材した臨場感あふれる黒白作品である。メッキ槽が500℃にもなる過酷な環境下で働く労働者のポートレートと、その作業から生まれる製品を緻密かつ力強く撮影している。しっかりとした計画に基づいて被写体と冷静に向き合い、高次元の表現技術によって仕上げられた印象的な作品として評価された。

[受賞]

2014年度芸術部長賞受賞

 

 

陳 程「Horizon」2014年度芸術学部長賞受賞作品

[作者]

陳 程

[作品]

「Horizon」

[解説]

世界各地の美しい自然景観や遺跡などに取材し、ユニークな世界を作り上げた黒白銀塩プリントによる作品である。風景をストレートに表現するだけでなく、独自のイマジネーションと高い技術によってイメージを合成している。著名で美しい風景などが、架空の印象的な視覚世界へと昇華された優れた作品として評価された。

[受賞]

2014年度芸術部長賞受賞

 

 

荒木 玲子「眩耀都市」2014年度芸術学部長賞受賞作品

[作者]

荒木玲子

[作品]

「眩耀都市」

[解説]

昼と夜が混じりあう不思議な世界を写真で再構築しようとしたユニークな黒白作品である。マグリットの作品「光の帝国」から発想し、東京の明るい昼の世界と、光が溢れて輝く大都市の夜の世界を繋ぎ合わせている。撮影や合成の技術的な困難さを克服し、作者独自の世界を写真で作り上げた優れた作品として評価された。

[受賞]

2014年度芸術部長賞受賞