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2025年度卒業制作優秀作品

大野 晴山 「En-route」2025年度芸術学部長賞

 

[作者]

大野 晴山

[作品]

「En-route」

[作者コメント]

見えない存在とその背景を可視化し、その無数の脚本を思い描く。夜の飛行機を被写体とし、

撮影技法を三部に分けて構成したものである。そこからは、人々の時間と移動、見えない

努力、空港夜景美と機能美が可視化された。単なる物理現象の記録に留まらず、無数の

脚本から繰り広げられる心情を読み取ることを試みたものである。非日常的な光景や

発見という、未知なるモノに尽きせぬ空への思いを乗せて。

[受賞]

2025年度芸術学部長賞

山内 美空 「she was me」2025年度芸術学部長賞

 

[作者]

山内 美空

[作品]

「she was me」

[作者コメント]

この作品は、かつて手放したバレリーナとしての夢と向き合うセルフポートレートです。

14歳でロシア留学を諦めた後悔は今も胸に残っています。作中では ”ロシアで踊って

いたかもしれない私" をデジタル背景の創出と撮影・レタッチで形にし、わずかに登場する

現在の私は、別の世界と今をつなぐ小さな窓として配置しました。叶わなかった未来を

技術で可視化することで、過去の自分を救い、今の私を静かに照らそうとしています。

[受賞]

2025年度芸術学部長賞

小泉 志穂 「あの日の温もり」2025年度芸術学部長賞

 

[作者]

小泉 志穂

[作品]

「あの日の温もり」

[作者コメント]

祖父は言葉より背中で語り、祖母は誰かを支え続ける人だった。

私は二人が過ごす日常にある何気ない時間を大切に撮影してきた。

祖父の死後、祖母と会えなくなり、写真は失われる前の温もりを記録するものとなった。

日々の笑顔や手のぬくもりを記録し、消えゆく瞬間の尊さを伝える作品である。

見る人が大切な人や時間を思い返し、今を大切に生きるきっかけになることを願う。

[受賞]

2025年度芸術学部長賞

國分 唯斗 「瞬間の軌跡」2025年度芸術学部長賞

 

[作者]

國分 唯斗

[作品]

「瞬間の軌跡」

[作者コメント]

剣が描く光の軌跡、交わる視線、張りつめた空気

フェンシングの高速の世界に宿る意志と感情を、写真という静寂の中に封じ込めた

一瞬の閃きが時間を止め、残像は選手たちが生きた瞬間の証

目には追えない速さの中に確かに刻まれた軌跡がある

[受賞]

2025年度芸術学部長賞

木暮 尊 「問」2025年度芸術学部長賞

 

[作者]

木暮 尊

[作品]

「問」

[作者コメント]

本プロジェクトが目指しているのは、 "写っているもの" そのものを主題化すること

ではなく、写真が像を成立させるその仕組みや、鑑賞の構造に静かに意識を向けること

である。私たちが写真を見るとき、いつも無意識のうちに超えている境界=閾を、いったん

立ち止まって感じ直してみること。そのための手掛かりとして、この作品群が機能する

ことを願っている。

[受賞]

2025年度芸術学部長賞

鈴木 優奈 「Muted: Into My Gaze」2025年度芸術学部奨励賞

 

[作者]

鈴木 優奈

[作品]

「Muted: Into My Gaze」

[作者コメント]

音のないモノクロの中に、街や自然でぽつんと浮かび上がる存在を収めた。興味は、その

時間その場所に居合わせたときだけ、ふいに芽生える。心が強く動く一瞬の感覚で、それ

まで風景の一部だった存在の輪郭が突然際立つ。目の前に在る形やその配置、光の加減が

ふと重なって、ひとつの絶妙なバランスを成した瞬間、世界が静まり、色が落ちていく

ような気配に包まれる。私は、そこに惹きつけられる。そして、シャッターを切った。

[受賞]

2025年度芸術学部奨励賞

下川 瑛祐 「MAYBE I NEED A PEPSI IN MY LIFE.」2025年度金丸重嶺賞

 

[作者]

下川 瑛祐

[作品]

「MAYBE I NEED A PEPSI IN MY LIFE.」

[作者コメント]

別にペプシがなかったとしても1日を過ごすことはできる。しかし、ペプシがあることで

1日がより充実する。もっと言うとペプシがあることで人生がより豊かになる。好きなもの

を好きと言える、それは自由であり、芯がある。芯があるのなら今しっかりと自分の足で

立っているということではないか。それは今ここにいるという証明なのではないか。

もっと自由に生きていい。そう思う。

[受賞]

2025年度金丸重嶺賞

赤司 大知 「オシカツ」2025年度金丸重嶺賞

 

[作者]

赤司 大知

[作品]

「オシカツ」

[作者コメント]

なぜ、写真を撮るのか。なぜ、シャッターを切るのか。もしかしたら、ただシャッター

ボタンを押すことが好きなだけなのかもしれない。思い返せば幼いころ、火災報知器の

ボタンを押したくてたまらなかった。スイッチやボタンには、本能的に抗えない魅力がある。

人とモノが物理的に繋がる、インターフェース。ひと押しで、人を救うことも、世界を

破滅へ導くこともできる。シャッターボタンもまた、そのひとつに過ぎない。

[受賞]

2025年度金丸重嶺賞

鈴木 日奈子 「気づけば、いつも」2025年度金丸重嶺賞

 

[作者]

鈴木 日奈子

[作品]

「気づけば、いつも」

[作者コメント]

家族と過ごす日々の中で、私は "当たり前" に見えていた支えの存在に気づいた。

立ち止まって見つめ直すと、そこには私を包むようなものがある。

交わされる視線や言葉、部屋に満ちる空気などの些細な瞬間たち。

それらを写し取ることで、日常の奥に優しく息づくあたたかさにふれる。

今日もそっと寄り添う時間の愛おしさを残した。

[受賞]

2025年度金丸重嶺賞

竹下 真介 「質実剛健」2025年度金丸重嶺賞

 

[作者]

竹下 真介

[作品]

「質実剛健」

[作者コメント]

五歳から私を導いてくれた空手の恩師。その稽古に宿る厳しさと、奉仕に滲む静かな

優しさを、私は長い時間かけて見つめてきた。強さと優しさが一つに結びつくその

佇まいに、人がどう生き、何を大切にしていくのかという核がある。

私はその姿を通し、自分の原点と向き合い、写真という形に昇華した。

これは、一人の師が示す生き方へ捧げる敬意を、ささやかに込めた作品である。

[受賞]

2025年度金丸重嶺賞

田中 祐希 「感情の幾何学」2025年度金丸重嶺賞

 

[作者]

田中 祐希

[作品]

「感情の幾何学」

[作者コメント]

幼い頃から自己肯定感の低さを指摘され続けてきた私は、その見えない感情を誰もが

理解できる図形に託した。三角・丸・四角を擬人化し、他者と比べて揺らぐ心の在り方を、

多重露光やコラージュで視覚化した。形の違いに翻弄され、自分が見えなくなる感覚を

追体験しながら、内面を肯定できる "ゆるぎない何か" を見つけたいと願っている。

[受賞]

2025年度金丸重嶺賞