写真を学ぶということ

●技術を学びます


 自分が表現したいことを最大限いかす画像を得るために、自分の意思でもってカメラを操作し、プリント技法を学び、作品に仕上げる技術を学ぶのです。
カメラに写真を撮らされるのではなく、私たちがカメラを操作して写真を創るのです。カメラは道具にすぎません。写真を撮るのはあくまで私たち人間なのです。シャッターを押す以前にカメラを意のままに使いこなさねばなりません。そうすることで最終的画像を自分の意思でコントロールできるのです。カメラやプリンターから与えられた画像ではなく自らの意志で画像を創るのです。

●光を学びます


 写真を制作するとき、ツールとしてのカメラや記録媒体、それに加え絶対に必要不可欠なものが光です。写真は光と直結しています。光なしに写真は撮れません。ゆえに写真家は光を見つめます。光をコントロールするのです。
 スタジオでのライティング作業にとどまらず、風景など太陽や月の光ですらコントロールして写真を撮ります。写真を学べば光が見えてきます。光が見えれば、物の本質を知ることができます。自然なライティング、事物を美しく見せるライティングを考えることができます。そしてそれはあらゆる作業に役立っていく一つの重要な技術です。

●時代を学びます


 写真は誕生して約180年です。それはちょうど世界史全体から眺めれば近代化と重なります。写真の歴史を学ぶということは、写真技術、写真形態の変遷を学ぶにとどまらず世界の近代形成を学ぶことでもあります。なぜなら写真は時代と密接に結びついているからです。被写体はかつてそこにあった事物であり、その時点での最先端が被写体になってきました。当時の写真家がなぜそれを撮影したのかを考えれば、その時代が見えてきます。

●現代を学びます


 「写真のノエマ」=「それはかつてあった」と言われます。写された写真を見る時点で、その写真は過去にあった事象を示します。しかし、写す瞬間はまぎれもなく時代の最先端です。写真で表現されたものは、その時点で一番新しい何かです。時代に先んじるものかもしれません。時代を知らねば写せないとも言えます。
 報道の世界は分かりやすく、最新の情報、時代が最も求めるものを対象としています。広告の世界もそうです。最新の商品であり、最新のトレンドです。時代を知らねば撮れません。そしてもちろんアートの分野も今を表現していると言えましょう。写真を学ぶということは、時代を学び知るということです。

●自分を学びます


 写真を撮るということは、一つの自己表現です。アートと言われる分野の写真のみならず、それが報道であろうと、広告であろうと、何であろうと一つの自己表現です。 自らが選んだ被写体、モチーフを選択した時点で、それは貴方の心の片鱗です。写真を撮ることを通して自分を知ることができます。
 被写体と対峙すると同時に自分とも向き合っていると言えます。それは生きる目的、生きる意味、生かされる意味などを考える契機にもなります。



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